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晩秋をテーマに風景画のモチーフを探して宇甘渓にやって来た。順光線で眺める紅葉の彩色は
今一ながら、宇甘川を渡った背後の林間から眺めた逆光線の紅葉はなかなかの魅力があります。


●旭川とセーヌ川

日本の自然の風景は、伝統ある「日本画」の構図と絵の具によくマッチするが、洋画にふさわしい
モチーフを探すのには苦労があります。それだけに「はっ!」とするような格好の風景を切り取った
時の喜びは一入です。

この点はプロの洋画家にもご苦労がおありのようで、岡山の街角を、上手に巴里の街角風に描く
画家が居られた。もっとも昨今の洋風建築の外観は垢抜けて、ここはパリなのか?と、錯覚する
ほどの場所がありますが。

プロの画家ならずとも、油彩の絵筆を握る多くのアマチュア画家の中にも、一度は現地に行って
巴里の街角を描いて見たい願望はあると思うのですが、この歳になった自分には、もはやそんな
願望も情熱も湧いてきません。



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旭川右岸の烏城と左岸の後楽園をつなぐ<月見橋>は、セーヌ川右岸のルーブル美術館と
左岸のオルセー美術館を結ぶ<ロワイヤル橋>の長さと同じ110メートル。



高齢とテロの恐怖やその他の諸事情から自分でも残念に思うのですが、同じ思いのご同輩に
わざわざ現地巴里に行かなくても、巴里を彷彿とさせるような場所があることをお教えしたい。

それは1597年、時の城主宇喜多秀家が義父豊臣秀吉の意向に従い完成させた岡山城を
取り巻く天然の堀割なのですね。


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宇喜多秀家は城の周囲を湾曲に迂回する形に旭川の流路を変え、掘り上げた多量の土砂を積み上げて
左岸に後楽園を造った。この川幅が奇しくもセーヌ川の中州、ノートルダム大聖堂がある左岸<シテ島>と
右岸との幅にピッタリ当てはまった。


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昨今、外国人観光客が増えボートハウスもモダンになった。


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ここがセーヌ河畔に似ているのは、川幅のみならず右岸と左岸にあるプロムナードは上段と下段の
二重である点、更に生繁るムクノキやエノキ、ニレやカエデといった、巴里と同じ多数の街路樹が
川面に反映する景色なんだね。



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この日は快晴の日曜日。早朝から絶好のポイントにイーゼルを構え、キャンバスに筆を運ぶ
ご同輩を見かけた。



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河畔にはオープンテラスのカフェもあって、あたかもセーヌ河畔にいるような気分で憩える。
行き交う観光客が交わす言語も国際色豊かになった。。


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小高いオープンテラスからの眺めは、シテ島から見下ろすセーヌ川を
思わせる。


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荒手茶寮のある後楽園下手外苑の紅葉樹も色づき始めた。この辺りにもセーヌ河畔の雰囲気がある。

因みに旭川は岡山城周辺のみならず、その下流に架かる京橋は、コンコルド橋とほぼ同じ長さ、
更に下流の桜橋は、ポンヌフ橋に等しい。てなわけで、岡山市民は市内を<セーヌ川>が流れ
ているんだ、なんちゃって考えると楽しい気分転換ができます。(^o^)♪




●<金蓮花>その後

九月上旬、我が家の庭で12年振りに開花を始めた<地涌金蓮>だが、幾重にも重なる
苞をその後も開き続けている。


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2017/10/26

7週間目。気温が下がり開花する元気が無くなったように思える。


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2017/11/02

8週間目。苞が赤く色づき始めた。














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秋雨の上がった明るい空と海。オリーブ樹の濃いエメラルドグリーンとのコントラストがいい。
風景画のモチーフを探してローマの丘にやって来たが、季節外れの台風の影響か?霜が降りる
なんて気配はまだない。



●幻の「シネマパラダイス」

当ブログ筆者のハンドルネーム<トト>は、1988年公開イタリア映画<ニューシネマパラダイス>
主人公の愛称を拝借したものだが、何故かというと映画好きだった子供の頃の自分の境遇が
物語にダブるからです。

Cinema-Paradiso-Toto-Alfredo-Movie-Review - コピー
イタリア映画<ニューシネマパラダイス>の一場面。トト少年はパラダイス座映写室に入り浸る。
壁に貼られた1942年公開のアメリカ映画<カサブランカ>のポスターが懐かしい。



戦後全てに貧しかった昭和20年代、夜間の小学校校庭で催される映画会は何よりも楽しみな娯楽だった。
その時見た映画で唯一記憶に残る、新東宝「暁の脱走」は、昭和25年の制作だったから、おそらくその頃
の話になる。

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昭和20年代後半の或る夏の夜、この校庭では何度か映画会が催された。その後校舎は増改築を
重ねているが、校庭の場所は当時のままで変わらない。多数の老若男女が校庭に敷かれた筵に
座って、銀幕に見入るその光景はイタリア映画に登場する同様シーンと確かによく似ていた。



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舞台は大東亜戦争下、中国の何処かの県城。中国軍の
捕虜となった日本兵と従軍慰安婦が県城から脱走を計る
という脚色。この映画をみたのは、あれは幻だったのか??
記憶が曖昧なこの頃だが、悲惨な結末のシーンは何故か
瞼に焼き付いている。


小学校校庭の映画会から程なく経って、学校傍の或る古民家の納屋に会場が変わった。
雨天でも心配無い屋根のある格好の映画小屋は、地域の人々を喜ばせた。

農閑期になると、納屋は観客でいっぱいになった。この<シネマパラダイス>は2~3年間程
続いたと思うが、昭和30年代になってTVの普及と共に姿を消した。上映された作品の殆どは
日本の映画だった。と、記憶している。


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当時、映画小屋として活躍した納屋は奇跡的に古民家の屋敷内にまだ健在。
子供の頃、両親や弟妹と一緒にその入り口を何度かくぐった想い出が蘇る。



●復活した地域の<ニューシネマパラダイス>

それは「映画小屋」の記憶が、もう幻の如く消えかけようとしていた矢先のことだった。
「操南銀幕劇場」と言う映画会が、地域交流の拠点、学区の公民館で発足した。

企画をしたのは公民館関係者か??或いはコミュニティーに住む何処かの<トト>さんが
提案したのか??それにしても高齢者が増えた地域のおもしろい活性策である。



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「銀幕劇場」は、奇しくも60数年前の「映画小屋」が残る場所に隣接した、公民館の大広間。


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今回の案内チラシ。

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この日上映に先立ち、集まった50名程の観客に対して、作品説明をする館の担当者。
上映作品は、1938年公開イギリス映画、アルフレッド・ヒッチコック監督による<バルカン超特急>


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銀幕の映像はOHPによるもので、縦に光線が流れフィルムが回る音がする映写機でないのは残念だが、
それでも往年の「映画小屋」を彷彿とさせる雰囲気とともに、近隣に映画ファンのご同輩が多くご健在と
分かり、次回も楽しみな有意義な銀幕劇場だった。





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半世紀前の昭和40年代、見渡す限り田園地帯だった処が昨今住宅団地に変貌しつつある。
多分、学校や病院に恵まれた地域だから人も寄ってくるのだろうかと、思っていたら
「ここは空が美しい処だから住むことに決めたのよ」
と、山間部ご出身の或る若いご夫婦の話に頷かされた。
とりわけ、日没が午後6時前、「寒露」の頃の夕焼けの空は年間で最も美しい。



●空から聞こえてくる懐かしのストリングスメロディー

西の空が茜色に染まるその数分前のこと、一本の飛行雲が岡山空港の方角に流れて消えるのを見た。
それはジェット旅客機のもので、平和を象徴するような故郷の空を仰ぎ見ながら、あの昭和40年代
人気だった、或る深夜のラジオ放送を思い出した。


16CD056.jpg
IMG_8553.jpg>遠い地平線が消えて 深々とした夜の闇に心を休めるとき 
遙か雲海の上を 音も無く流れる気流は 
たゆみない宇宙の営みを 告げています…
                     
(Jet Stream Opening Narration より)


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夜間飛行の ジェット機の翼に点滅するランプは 遠ざかるにつれ
次第に 星の瞬きと区別がつかなくなります…
                     

 (Jet Stream Ending Narration より)









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今年も早やすでに年間の4分の3に近い月日が経ったことになる。
毎年この時季になると土手の彼岸花が一斉に咲き始めが「よくまあ咲く時季を忘れずによく
覚えているものねぇ」と、しきりにかみさんは感心する。
(写真は沖新田を水害からガードする九蟠港近くの強固な高い土手と稲荷神社)


●常夜燈

九蟠港には江戸時代末期に建てられたと思われる、やや大型の常夜燈が遺されている。
電灯が普及しない大正末期か昭和初期の頃まで、太めの蝋燭か或いは菜種油のカンテラを灯して、
薄暗い時刻の出船入り船に、港の所在を知らせる役目を果たしていたと思える。


IMG_8494.jpgこれが九蟠港に遺る常夜灯。ここは吉井川の河口に当り、対岸の乙子城趾が遺る山の出鼻にも
石造りの見事な常夜灯がある。



常夜灯といえば、竹久夢二が<夢のふるさと>で描いた詩や絵を思い出す。
彼岸を過ぎて秋の夕暮れは早くなる。夢二が子供の頃の故郷は電灯の無い時代で、
千町平野の要所々々には常夜灯が灯っていただろう。


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日本の四季の中で最もセンチメンタルな秋の夕暮れを、夢二は自分の心情に
結びつけて描いたのか、見ていて心惹かれる情景画がある。



森のおさよが とぼしたる 
山の出鼻の 常夜灯
わけてこよひは あかあかと
父の出船が ちらちらと
泪のうちに ちらちらと




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去りゆく人を村はずれに見送る、夢二自身を描いた情景なのか
背景に常夜灯が見える。



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この季節を彩る彼岸花の球根は有毒で、土竜(モグラ)が
これを嫌うため、土手根にこの花が多く植えられている。







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秋が深まるこの時期は夜露の量も増えると言いますが、昨夜は待望の秋雨が降って夜露以上の
水分補給に庭の植物たちも心なしか嬉しそう。(2017/09/07撮影)



●12年振りに開花した黄金の花

思い起こせば12年前の8月中旬、庭の一角に植えていた南国の珍花が開花した。この花は
東南アジアインドシナ半島高地に自生する植物だったから、まさか温帯の地で開花するとは
思ってもみなかった。

芭蕉の葉に似ている<バショウ科>の植物で、花が蓮に似ていることから<地涌金蓮>
と呼ばれている。まさに地上に忽然と湧いた金色の蓮の花を思わせるが如きである。

開花当時、この花は4年毎に咲くと聞いていたがその後一向に開花せず、酉年が一巡
した12年目の今年不思議にも何故か開花した。


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2003_0127_142707-DSCF0721.jpg上の二枚の写真は12年前(2005/08/17撮影)のもの。その後、地湧金蓮の幹の生長はそれほどでも
ないが、ほとりに植えた<リュウゼツラン>の成長を比べたら12年の時間の経過が分かります。


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12年前はガーデニングブームで、ブームに便乗してトロピカルな雰囲気の庭にするため、この花木を
植えたような気がします。開花当時、庭をオープンにして庭好き花好きな多くの方々に見てもらった
思い出があります。



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2017/09/07

金色に輝く花弁状に見えるのは、苞(ほう)と呼ばれる葉で、本当の花は苞の間に
小さく筒のように咲いてあまり目立たない。何故12年も経った今年咲いてくれた
のか??しばらく観察を続けたい。


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2017/09/14

外側2段目の苞が開いて花が咲いた。この花、2000年淡路花博の
目玉植物として開花期間が長い人気の花木だった。


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2017/09/21

苞に包まれた内側の花が咲くのは一週間でこの速度。バショウはバナナの兄弟分なのか、
この苞の色は熟したバナナの皮の色素に似ている。ん?それにしてもなぜ12年経った今年
開花したのか??理由がさっぱり分からん。(?_?)~~~~~??



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2017/09/28

この花には黄金の甘い蜜があるのか??一匹のカマキリ君が居着くようになった。
開花してもう3週間が経つ。



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2017/10/05

開花して4週間目。カマキリ君はまだこの花から離れないでいる。


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2017/10/12

5週間目。開いた苞が幾重にも重なり、大きかった膨らみがやや小さくなった。
カマキリはどこかに消えたようだが。



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2017/10/14

彼岸花も散り庭の秋は深まって、西条柿も色づき秋明菊やホトトギスの花が咲き始めたが
耐寒性のある<金蓮花>の葉と花は依然として健在。



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2017/10/19

6週間目。順番を待っていた苞が開きかけた瞬間。既に幾重にも重なった
苞の一部は朽ちかけている。






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Mrトト

Author:Mrトト
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熟年の秋を迎えた筆者が
貧乏ながら気持ちは優雅に
日々の夢想を書き下す日記。
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